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ソーシャル→フィジカルディスタンシングへ。心のつながりは持とう

2020.05.08 |

ソーシャルディスタンスという言葉が言われて久しいです。これは社会的距離を保って、新型コロナウイルスの感染拡大を減らそう、という取り組みの一つ。
しかし、最近はフィジカルディスタンスの概念の方が合っているのでは、と考える人も出てきました。

ソーシャル:社会的、に対し、フィジカル:物理的

ソーシャルディスタンスという言葉は人と人との距離を保つために有効な考え方でしょう。しかし、そのために人と人とのつながりや関係性まで分断させてしまっているのでは、と危惧する人もいます。
尾木ママの愛称で親しまれている教育評論家の尾木直樹さん。彼はブログでソーシャルディスタンスという言葉が、人と人との分断を招いているのではないか、と危惧しています。
なので、フィジカルディスタンスにingを付けたフィジカルディスタンシングという言葉がふさわしいのでは、と提唱しています。
https://ameblo.jp/oginaoki/entry-12594011764.html

尾木ママも推奨する「フィジカルディスタンシング」

ソーシャルディスタンスは社会的距離。物理的な距離だけではなく、社会が分断化されてしまうのでは、としています。確かに、人との関係も一定の距離を取らないといけないような感覚に陥ります。
それに比べてフィジカルディスタンスという言葉は、物理的距離・身体的距離という意味。これであれば、物理的に離れるだけで、心の距離は保とう、という意味になります。
まさに今、感染の恐怖から、様々な偏見や差別をされている人もいるでしょう。それを防ぐべく、フィジカルディスタンシングという言葉の方が合っているのかもしれません。
WHO(世界保健機構)も人々の社会的な関係性は維持しよう、としています。体が離れていても、電話やメール、メッセージで人とのつながりは保つことができます。
心がすさまないように、家族や親族、友人知人との関係性は今まで通り保っていきたいですね。

乳幼児には難しいけれど

保育園の現場では乳幼児にフィジカルディスタンスを理解させるのは難しいでしょう。乳幼児は保育士と密着し、友達の接触し、育っていきます。たくさん抱っこしてあげたいのはいつもと変わりありません。
乳幼児の成長過程では、信頼できる人とのふれあいを通じて愛着の形成がされるので非常に大切なこと。
幸い子供はかかっても軽症なケースが多いので、いつもと同じように過ごすことが望ましいと考えられます。

街中で出会ったら話をせずに

買い物に出かけたらお友達と出会うことはよくあること。そんな時でも、遠くから挨拶する程度にしましょう。
近寄って話しかけるなどは今は避けましょう。
乳幼児には理解しにくいかもしれません。しかし今は「お外ではお友達と離れていようね」と説明するしかありません。
まずは親が手本となって示すことです。言葉がわからない、状況が分からない赤ちゃんでも、親の背中はちゃんと見ているものです。

2020年5月4日(月)朝日新聞朝刊より出典