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離乳食は親主導から赤ちゃん主導へ!イギリス発「BLW」とは?

2021.04.02 |

赤ちゃんにとって離乳食は新しい味や食感との出会い。しかし、丹精込めて親が作った離乳食を時間通りに喜んで全部食べてくれるわけではなく、ママ・パパにとっては悩みは尽きません。
そんな中、イギリスでは離乳食の新しい手法「BLW」が主流になってきているとのことです。どんな手法なのでしょうか?

BLWとは、Baby(赤ちゃん)、Led(主導)、Weaning(乳離れ)の略

BLWでは、肉・野菜・魚・果物などを細かく砕いたりせず、柔らかくゆで、手づかみしやすい大きさに切ってお皿に並べます。
赤ちゃん自身が自分で食べたいものを手づかみで取って口に運ぶという、赤ちゃん主導の離乳食です。
イギリスでは「自立心が芽生える」「手先が器用になる」と推奨されています。
さらに親は見守るだけなので、一緒に食卓が囲めるのも大きなメリット。BLWで最も大切にしているのは、家族で一緒に食卓を囲み、赤ちゃんと一緒に楽しく食事を摂ることです。

2002年ごろイギリスの保健婦によって考えられたBLW。それまで親が主導だった離乳食を赤ちゃん主導にしようという考え方で、世界中で注目されています。

タレントの鈴木亜美さんは次男の離乳食にBLWを実践

2人の男の子の母親であるタレントの鈴木亜美さんは、長男の時は従来型の離乳食で進めましたが、次男ではBLWを取り入れたとのことです。
次男にはBLWがとても合っていて、自分から食べようという意欲が旺盛だそうです。今でも好き嫌いはないのだとか。

もちろん子どもの性格はそれぞれであり、何でも構わず食べようとする赤ちゃんもいれば、とても慎重で見たことの無いものは口にしたがらない赤ちゃんもいます。そのため、BLWにすればどんな赤ちゃんでも何でもよく食べる、とは言い切れませんが、親のストレスが減るのは嬉しいことです。

従来の離乳食のメリットとデメリット

従来の離乳食のメリットは、親が子どもの月齢や好みに合わせて固さや量を調節してあげられることです。また大人が主導すれば、栄養のバランスが偏ることもありません。親がスプーンで口に運ぶため、汚れる箇所も少なくて済みます。
一方でデメリットもあります。ほとんどの家庭は赤ちゃんだけ一人ぼっちで別の時間に汚れてもいい場所で離乳食をあげていることでしょう。
しかも、せっかく口まで運んだのに食べないとイライラしてしまいます。そのストレスが親の表情や態度に出ることもあります。親が一緒に食事を摂ることもままなりません。
本来は食べることは楽しい時間のはずなのに、義務であり作業になってしまうのです。

BLWが大切にしていることは、家族で一緒に食卓を囲むこと

赤ちゃんが主導のBLWであれば、親は一緒に食事を摂りながら見守るだけ。とにかく食事の時間は家族で楽しく食べる、ということに重きを置いています。
赤ちゃんは好きなように手づかみで食べるため、周りは汚れてしまいますが、多少の汚れは気にしないことです。
食事の時間がいつも楽しい雰囲気であれば、言葉が分からない赤ちゃんでもその雰囲気を感じ取り、潜在意識に残ることでしょう。

BLWにも注意点はあります!

●誤嚥(ごえん)を防ごう
全ての食材は柔らかく煮て、手づかみしやすい大きさに切りましょう。

●アレルギーに気を付けよう
アレルギーを発症しやすい食物をあげた場合、食後の赤ちゃんの反応を気を付けて見ておきましょう。

●栄養が偏らないように
赤ちゃんが食べない、口にしない=あげなくてよい、ということではありません。赤ちゃんが主導だと、どうしても好きな味や食感に偏ってしまいます。
いろいろな味や栄養素を摂り入れたいので、時には従来型の離乳食と併用するなど工夫をしましょう。

離乳食の時にできるだけ親のストレスを減らすために・・・

従来型の離乳食は、「月齢が〇ヶ月の赤ちゃんは、これくらいの固さとこれくらいの量で、1日〇回」などと目安があります。親はこれを忠実に守ろうとするあまり、離乳食がストレスの時間になってしまうこともしばしば。
本来なら楽しいはずの食事の時間が、義務や作業、強制になってしまったら楽しくありません。
BLWは「もっと楽にかまえて」という親へのメッセージも含んでいるのかもしれません。

2021年3月20日(土)朝日新聞朝刊より出典