目指せ保育士!保育スクールパーフェクトガイド

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幼保無償化、ママパパ&保育士目線での実態は?

2019.07.12 |

2019年10月より
・全ての3~5歳児
・住民税非課税世帯の0~2歳児
乳幼児保育施設の利用が無料になります。政府は様々な少子化対策を行ってきましたが、思い切った舵取りをした様子がうかがえます。

財源は消費税から

消費税が8%~10%に上がるタイミングで、その財源を充てるとのことです。実際の負担額は国が1/2、都道府県と市町村で4/1づつとなります。

どの世帯も一律無料でいいの?

保護者の所得に応じて保育料にはかなり開きがある現実。それを一律無料でいいのか?という問題点もあります。
これは高所得者ほど恩恵を受けることになります。高所得者は、ある程度の大企業に勤めていることが予想されるほか、産休育休制度が整っており、半休制度やフレックス制度もある、また育児や介護での特別な休暇も取りやすい環境かもしれません。
一方、1人親だったり収入が少ない世帯はこのような便利な制度が整っていない可能性があります。そういう世帯こそ無料にしてもっと救うべき、という声もあります。
世帯収入に応じて保育料の負担額は異なるままで、例えば万円づつ補助、などしてもいいかもしれません。

保育園が更に狭き門に・・・

3歳まで育児休暇が取れる会社に勤めているけれども、「無料なら1歳から預けて働こう」と考える人が増えるかもしれません。
保育料は0~2歳児と3歳児以降ではかなり違いがあり、0~2歳児は高額。それが無料になるのだったら・・・恩恵にあずかりたいから早く復帰しよう、と考える世帯も出てくるかもしれません。
そうなるとただでさえ激戦の0~2歳児クラスが、更に狭き門になることが予想されます。

保育士不足が一番の問題なのに・・・

現在、一番問題視されているのは、保育園不足と保育士不足であるのは周知の事実。いくら無償になっても、保育園に子どもを預けられなければ意味がありません。
この保育園不足と保育士不足はこの幼保無償化対策で改善されるのかが焦点。保育園に子どもを預けるママ・パパや保育士は、「保育料を多少負担してもいいから、保育士の数を増やしてほしい」と切に願う人が多いのだとか。

これが「結婚しよう」「子どもを3人産もう」に繋がるの?

「保育料が無料だから、結婚しよう」「子どもを3人産もう」となるのか。本当に少子化対策に繋がるのかが見えません。この効果が分かるのは数年先。数年後に子どもが増えれば、この政策は成功だった、と堂々と言えるでしょう。しかし、子どもの数が増えないままだったら、多くの税金を投入した意味があったのか、と問われることになります。

 

朝日新聞朝刊 2019年6月20日より