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合格者≠保育士…合格率の移り変わりと合格者の就職率

2025.07.30 |

「保育士不足」と言われる一方で、「せっかく資格を取ったのに保育士にならない人がいる」という話を、みなさんも一度は耳にしたことがあるかもしれません。保育士試験の合格率や合格者数は年々増えているのに、現場ではまだまだ人手が足りないという不思議な状況。その背景には何があるのでしょうか?
今回は、保育士試験の合格率の変化や、合格後の就職率、そして「保育士にならない理由」について詳しく見ていきます。

 

保育士試験の合格率の推移

保育士試験は、厚生労働省が所管する国家資格。筆記試験と実技試験があり、誰でも受験できる門戸の広さから、社会人や主婦層にも人気があります。
とはいえ、年によってバラつきはあるものの、合格率は20〜25%前後で推移しており、決して「簡単な試験」ではありません。

ここ数年の合格率(実技まで通過した人の割合)は以下のとおりです:

年度 受験者数 合格率(全体)
2015年 約6.5万人 約20%
2018年 約7.1万人 約23%
2021年 約6.3万人 約24%
2023年 約6.8万人 約25〜27%(見込み)

 

合格しても就職しない人が多い?!

実は、保育士資格を持ちながらも保育士として働いていない人は約80万人以上(厚生労働省推計)。これに対し、実際に保育士として働いているのは約40万人弱とされており、保育士不足の要因の一つとされています。

 

なぜ「保育士にならない」のか?その主な理由

◎ 賃金・待遇面の不安
「責任が重い割に給与が低い」と感じてしまう人が多く、特に民間施設では人手不足による残業や休日出勤も珍しくありません。

◎ 人間関係のストレス
保育現場はチームワークが大切な職場。職員同士や保護者との関係に悩む人も。

◎ 子育てとの両立が難しい
女性の合格者が多いこともあり、自身の出産・育児と保育士業務との両立が課題になるケースもあります。

◎ 実習や実技のハードル
「資格は取ったけれど、実務に不安がある」「実技試験は乗り越えたけど、自信が持てない」など、心理的ハードルが就職をためらわせる要因に。

 

それでも現場はあなたを待っている

保育士を取り巻く環境は、少しずつ改善の方向に向かっています。全国の自治体では以下のような対策による、「働き続けられる保育の場」づくりが進められています。

・処遇改善手当の支給
・ICT導入による業務の効率化
・働きやすさに配慮したシフト体制の整備
・保育士の復職支援や再研修プログラム