目指せ保育士!保育スクールパーフェクトガイド

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とりあえず定員は増えたけど・・・保育の質の改善が求められる現場

2020.09.18 |

待機児童という言葉が広まって数年。2015年より小規模認可保育園が増えたことにより定員数は大幅に増え、1994年以降過去最低の12,439人になりました。
しかし、定員を増やすことが優先されて保育の質の改善や保育士の労働環境の改善はなかなか進んでいない実情があります。

どうしても定員増が優先されてきてしまい・・・

2015年から施行されている子ども・子育て支援制度。当初から「保育の量」と「保育の質」の両輪で進める方向性が示されていました。
しかし実際は、目の前に保育園い入れない子どもたちが溢れており、どうしても定員増を優先しなければならなかった側面がありました。

現在、ハード面では保育の質は決して高くはない日本

保育士の配置基準や運用のルールは、まだまだ日本は低いと言わざるを得ません。
例えば、4歳以上の園児30人に対し、保育士は1人。他の先進国では半数以下の国もあるそうです。
今回、新型コロナウイルスによる登園自粛の期間がありましたが、現場からは、「園児が減ったことで。やっと本来の保育ができた」という保育士もいました。

保育士は子どもの成長を支えるプロなのに評価が低すぎる?

保育の内容や社会的評価など、ソフト面からも改善しなくてはならないようです。
保育士は「子どもの成長を支えるプロ」であるのにも関わらず、社会的な評価が低く、給与水準も低い現状があります。
経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本の保育士の中で「社会から評価をされている」と感じている人は約3割にとどまりました。これは調査をした9か国のうち最低だったとのことです。

保育士の専門性の理解や子どもの発達に寄り添う姿勢は評価すべき!

保育士は、子ども一人ひとりの成長に寄り添い、知的好奇心やコミュニケーション能力を育む手助けをしています。
一部の保育園では保護者会で写真を添えたエピソードを伝え、仕事の重要さや専門性の理解を深める活動をしている所もあるようです。
今後は、すべての園で子ども主体で質の高い保育を実施できるように政府や自治体はサポートしていってほしいです。
待機児童は減ってきましたが、今後は保育の質の底上げに目を向けるべきでしょう。このことが保育士の待遇改善に繋がるはずです。

少子化が進むことが保育士の理解不足を生まないか懸念される

結婚や出産は個人の自由であり、現在では男性の4~5人に1人、女性の7~8人に1人が結婚しない世の中になりました。これが少子化が進む要因となっています。
これから懸念する点は、子どもを育てる経験の少ない人が増えると、子育ての大変さや保育士の仕事のすばらしさが実体験として分からない人が増えてしまうのではないか、ということ。
ですから、子育てを経験した人がもっと保育士の重要さを主張していいのでは、とも思います。

2020年9月10日(木)朝日新聞朝刊より出典