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イクメンという言葉の陰に隠れる違和感

2019.11.08 |

10年前にイクメンという言葉が新語・流行語にノミネートされました。しかしイクメンという言葉に不快感を示す人もいます。

まだまだ世代間の格差が残る

社会の実情を見ると、まだまだ男性が家事や育児に積極的に関われていない様子が垣間見れてきます。男性だって自分の子どもを世話したい、面倒を見たいという思いはあるものの、なかなか現実的には難しいようです。
「男は外で働き、女は家庭を守る」このような意識を持っている人は、若年世代でもある一定数いるとされています。
今現在の会社組織は、例えば50代の男性上司の場合、妻はパートや専業主婦が多いです。ですから自分たちの考えと違いがあることはあるでしょう。
子どもの保育園の送迎のために定時に仕事を切り上げて帰る男性を心よく見ない風潮も残っているのかもしれません。
また男性自身も「キャリア形成に不都合が生じないか」「周りから遅れを取らないか」など恐怖感もあるようです。

イクメンという言葉があること自体が差別!?

イクメンという言葉そのものが嫌い、という人もいます。なぜなら、イクメンという特別な言葉があることは、男性が育児をすることが当り前ではない、特別なこと、ととらえられます。男性が育児に関わることが当り前であり普通のことになれば、ざわざわイクメンという言葉を使わなくてもいいでしょう。
イクメン=特殊な人・凄い人である限り、この言葉はなくならないのでしょう。

男性が家事育児をしながら働くことはまだまだ難しい

男性は社会で競争し、上へ上へ上がることが求められます。偉くならなくてもいい、キャリアは降りていくことだってある、そのようなことを受け入れられなければ、男性の育児は当たり前にならないでしょう。

イクメンという言葉は画一的な父親像を押し付けられているような気がする、という人もいます。父親が育児に参加することを推奨するならば、まず長時間労働を無くさなければなりません。それが解消していないのに家事育児に関わることは父親の心身の健康に影響します。
一番忘れてはならないのは、子どもにシワ寄せがいっていないか、ということではないでしょうか。
男性が家事と育児に普通に参加できる世の中になるにはまだまだ時間がかかりそうです。

2019年10月13日(日)朝日新聞朝刊より