目指せ保育士!保育スクールパーフェクトガイド

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保育士は「結婚前の女性が2,3年勤めて辞める仕事」だったから待遇改善につながらない!

2021.06.04 |

保育士の待遇改善は徐々に行われてきてはいるものの、まだまだ都心部では人手不足が深刻で、なかなか保育士が集まりません。
そもそもの制度設計が「結婚前の女性が短い間従事する仕事で、結婚したら辞めるもの」という前提で制度の設計がされてしまった経緯があるとのことです。

「子どもの人数」と「子どもの年齢」で保育園の収入が決まってしまう

現行の制度では、子どもの人数と年齢、さらに自治体の加算金で保育園の収入が決まります。そのため保育士の給与がある程度固定されてしまい、ベテランになっても昇格が望めないことが、なかなか待遇が改善しない要因だと、東京経済大学の佐藤一光準教授(財政学)は語っています。

保育士は経験年数に応じて昇給させる必要があります。しかし、利益を確保しようとすると、中堅やベテランの保育士を昇格させてあげることができません。
そのため、経験が浅く若い保育士を雇い続けなければなりません。これがなかなか定着しない要因のひとつになっています。

「結婚前の女性ががる仕事。結婚したら辞めて、その代わりに若い保育士を雇う」という循環できてしまった

四半世紀前は結婚したら仕事を辞める女性が大半でした。そのため保育士は結婚前の女性が就くものであり、結婚したら辞めて、その代わりにまた若い保育士を雇う。。。このような循環が行われていました。
そのため、経験を積んだ保育士はおらず、昇給も昇格も考えなくてよかったのでしょう。

一方で令和の現代、その価値観は全く変わってきました。どんな職業でも長く勤めることで経験値や知識量も増え、技能が上がりますし、それによって昇給や昇格もあります。
保育士は「長く務める職業」としての制度設計がされていないことが給与が上がらない大きな要因のようです。

規制緩和で営利優先の企業が参入?保育の質は置き去りか

保育園不足を解消しようと急に規制が緩和され、企業の参入が進みました。保育園が増えるのはありがたいですが、一方で、人員を最低限氏は配置せずに営利を優先しようとする企業の参入もすすんだとも言われています。これでは保育の質は置き去りになってしまいます。
経験を積んだ保育士の技能をきちんと評価され、給与に反映されるような仕組みが必要だと、佐藤教授は語っています。

欧州では幼児の「非認知能力」教育に力をいれていく

読み書きやテストの点が高くなるような能力は「認知能力」と言われています。
一方で、意欲や協調性、忍耐力、創造性、コミュニケーション能力などは「非認知能力」と言われます。
この「非認知能力」を5歳頃までにどれだけ伸ばせるかが、その人の人生に大きな影響を与えるといわれています。社会で成功している人は、この「非認知能力が高い」とも言われています。

欧州では子どもの非認知能力にもっとアプローチしようと、幼児教育に力を入れ専門知識を持った人を投入する考え方が広がっています。

2021年5月19日(水)朝日新聞朝刊より出典・引用しています。
https://www.asahi.com/