世界が新型コロナウイルスに翻弄されている状況化のもと、この度アフリカでポリオが根絶されたという明るいニュースが配信されました。
人類が根絶で来たウイルスはただ一つ、天然痘。ポリオはそれに次いで根絶を目指しているとのことです。
保育園では、予防接種明けのお子さんが体調を崩すことがよくあります。保育士として予防接種にことは頭に入れて置きましょう。
そもそもポリオって？
人の便から他の人の口に入ることで感染するウイルスです。手足にマヒが出ることがあり、日本では小児麻痺とも言われています。
日本では1960年に大流行しましたが、1980年を最後に野生株に感染した患者は発生していません。
まれにワクチン由来での患者も発生しますが、野生株のウイルスに感染した患者が3年間発せしないことが、根絶の条件となっています。
残るは紛争地域のパキスタンとアフガニスタン2か国だけ
残るはパキスタンとアフガニスタンの二か国ですが、現在も武装勢力が支配する紛争地域となっており、子どもへの接種が難しくなっています。
WHOは、1988年に世界で根絶を目指すと宣言しました。その時点では世界の125ヵ国に35万人の患者がいると推定されていましたが、ワクチンの接種で徹底的に追い込みました。
この度アフリカのナイジェリアで2016年8月を最後に野生株由来の患者が発生していないことがあり、アフリカの根絶宣言に至りました。
日本のJICA(国際協力機構)も多大な協力してきた
ポリオの予防には、ワクチンの接種が大変有効です。そのため、ワクチンが行き届いていなかった地域に、ユニセフ・JICA・ビル＆メリンダ・ゲイツ財団などが子どもへの接種に協力していきました。
感染の動向の素早い把握は、コロナ対策にも通じる
ポリオは、数百人が感染しても、マヒが出るのが一人程度という感染症です。新型コロナウイルスも、無症状患者が多いという点ではとても似ています。隠れた患者を探すという点では、さまざまなポリオの教訓が生かされているとのこと。
ポリオ対策では、下水や河川などの環境中にあるウイルスを監視し、マヒが出ている子どもがいないか調べ、感染者が出た地域を重点的に絞ってワクチンを接種し、地道に感染対策をしてきました。
新型コロナウイルスとは単純に比較はできませんが、隠れた患者を探すことや、感染動向を把握するという点で、教訓が行かされていると専門家は言います。
無症状でも濃厚接触者にはPCR検査をしたり、発熱や味覚異変などの特徴的な症状が出ている患者から見つけ出したりする点は、とても似ているといえます。
2020年8月27日(木)朝日新聞朝刊より出典
