目指せ保育士!保育スクールパーフェクトガイド

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お腹の中の胎児の日常を探る

2020.02.21 |

妊娠・出産はまさに奇跡の連続。神秘に満ちています。研究が進んでいるとはいえ、まだまだ謎が多い胎児の世界。保育士として知識を備えておきましょう。

最近の超音波検査では様々なことがわかる

子宮の中という密室。羊水で満たされた袋の中で成長する胎児。超音波検査が発達したおかげで、最近はリアルタイムで胎児の表情がモニターに映し出されるようになりました。
母親は胎児に愛着がわきますし、安全な出産に向けて備えることができます。
胎児は寝ているとき以外は新生児のようにしています。目を開けたりせわしなく動いたり。しかめっ面やしゃっくりもするそうです。

羊水は万能!ただ満たしている水ではない

長崎大学病院の産婦人科医、増崎英明さんが、胎児の様子を10時間ほどモニターで観察したところ、さまざまな発見があったとのこと。
まず胎児は羊水を飲んでおしっこを出していることが分かりました。その量は1日に約700ml。小さな身体にしては相当な量です。
また、身体の表面から落ちる細胞などを腸にためてそれ以外はおしっことして出しています。食物を食べて不要なものを外に出す仕組みの原型がすでに出来上がっています。ですから羊水はつねにきれいに保たれています。

生まれるまでウンチをしない胎児

赤ちゃんの産まれて初めてのウンチは黒緑色。胆汁の色素が関与していると言われています。
赤ちゃんは産まれるまでウンチはせず、出産時、産道を通る時にお腹が押されて始めてウンチが出ます。
低酸素状態など、胎児が弱っていると、お腹の中でウンチが出てしまうこともあります。そうすると、羊水がにごることがあります。

産まれてから始めて肺呼吸をする赤ちゃん

大人と違って胎児の肺へほとんど血液が流れていません。胎児は大人とは違ったルート新心臓や脳に血液を送り続けています。酸素は母親の胎盤を通して供給されています。
胎児は産まれ落ちた瞬間、産声を上げますが、このタイミングで肺呼吸に切り替わります。産声が大切と言われるのはこのため。
超音波検査によると、赤ちゃんは鼻から激しく羊水を出し入れしていることがわかりました。産声や肺呼吸のために、肺を鍛えているのでは、とも言われています。

 

2020年1月27日(月)朝日新聞朝刊より出典