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増えている双子・三つ子の育児を支援する仕組み

2020.08.21 |

東京都町田市で2020年6月、当時2歳の双子の長男を布団にまいて死亡させたと、母親が逮捕されました。
長女に比べて発達がゆっくりで、持病があり、タンの吸引が欠かせなかったようで、育児に悩んでいたとのこと。
多胎児を抱え孤立した育児にストレスを感じる保護者は増えています。

「自分だったかも知れない」他人事には思えない事件

全国の双子や三つ子を育てる母親からは、「他人ごとではない」「この事件の母親は私だったかもしれない」という声が多く上がったとのこと。
ある母親は、あまりのストレスや睡眠不足でカッとなってしまったりし、そのたびに自己嫌悪に陥っていると言います。
その精神状態は、コップの水が表面張力ぎりぎりのところでこぼれていないような状態で、何かの拍子にドバっとあふれ出しそう、と表現しています。

杉並区の母親は、多胎児の育児の大変さを語らう場があればと、2月にサークル「双子ちゃんと一緒@すぎなみ」を立ち上げました。
その母親は、「うちもそんなもん」の一言で救われると言います。

多胎児の母親を孤立させないでほしい!

愛知県豊田市では2018年1月、母親が11ヶ月の三つ子の次男をたたきつけて死亡させる事件が起きました。この事件で、多胎育児の負担についてSNS上や国会でも話題になりました。
国は今年度、多胎児がいる家庭に対し、育児支援や外出補助にあたるサポーターを派遣する事業を始めたばかりです。

約100人に妊婦に対し1人程度の多胎児

日本多胎児支援協会で代表理事を務める布施晴美教授(十文字学園女子大学教授)は、多胎児が生まれる確率は妊婦100人に対し1人程度なので、なかなか身近に感じにくく、共感を得られにくいと語っています。
気軽に相談できる環境を整え、母親を孤立させない仕組みが必要と言っています。
また、多胎児の妊娠が分かった時点から子育て期まで、継続して支援するシステムの必要性を説いています。
近年、高齢出産が増え、不妊治療などの進歩もあり、多胎児は昔に比べて増えていると言われています。
私達一人ひとりが理解を深めて支えていかなければなりません。

自治体の多胎児支援の取り組み例

●日本多胎児支援協会(兵庫県神戸市) 078-992-0870
・保護者のニーズや支援の実態調査
・研修会や講演会の開催
・地域サークル活動の支援

●ツインマザーズフォーラム(東京都新宿区)inform@tmcjapan.org
・電話相談
・意見交換や講習会の開催
・発達の遅れや障害がある子どもの支援

他に、各自治体でも子育て支援の担当部署が相談に応じています。

2020年8月15日朝日新聞朝刊より出典