共働きする夫婦は増え続けている今日、「家事育児は女性の仕事」という考え方は成り立たなくなっています。
これからは家事の外注がもっと一般的になるでしょう。
保育園で保育士として働いていると、家事育児で日々つらそうな母親をたくさん見かけるでしょう。ぜひ家事の外注をすすめてみてください。
「わたナギ」「逃げ恥」ヒットの要因は働く女性の共感
最近の父親は積極的に育児に関わる人が増えてきましたが、まだまだ長時間労働の男性が多く、結局仕事も家事も育児も女性に負担がかかっている現状です。
それが原因で結婚や出産をためらう女性も増えており、少子化の一因となっているとも言われています。
ドラマ「わたナギ」は、仕事ではとても優秀な女性が、家事が全くできないため、中年男性家政婦を雇う話。多くの働く女性から共感を得ました。一方で、「給料が全部なくなりそう、いくらかかるのだろう」といった不安の声も聞かれました。
ドラマ「逃げ恥」では、「雇用主と従業員」という関係で契約結婚をする男女の物語。女性は家事を契約として担って対価をもらいますが、だんだん恋愛感情が芽生えてきます。
しかし結婚したら、家事はタダ働きになってしまい、モヤモヤを感じる、という設定。妻は家事はタダでやるのがあたりまえなの?と考えさせられます。
日本でもっと家事の外注が一般化されることを願いたい
朝日新聞の調査によると、全体の61%が家事の外注はあり、と答えています。外注したい家事はきっちん、エアコンなど自分ではなかなかきれいにできない部分を外注したい、という声が多くありました。実際頼んだ人は「素晴らしい出来で感動」とも。
また、普段の部屋の掃除や庭の掃除、トイレや風呂などの水回り、おかずの作り置きなども頼んでみたいという人もいました。
エアコンやキッチンなど、年に一回の特別な掃除はぎ業者に頼むという人が増えているようですが、一般的な掃除や料理などはまだまだ浸透していないことがうかがえます。
一方で他人を家に入れることに抵抗がある人も多くいました。また、お金をかけてまでやってもらわなくてもいい、価格が高い、と考える人も。
また、外注する時に重視する点は、との質問には、①価格、②技術、③明朗な会計、を挙げる人が多くいました。
海外では家事の外注はごく一般的
海外からは、「日々の掃除を頼むのは当たり前で、裕福な家庭ではなく一般の家庭でも外注している」と意見がありました。価格が安いことも理由のようです。
家事だけではなく、育児も外注することが一般的な国も多く、人気の学生アルバイトがベビーシッターという国もあります。
日本では育児を担うには資格を持っていたり研修を受けたりしないとなりません。質の高い育児を提供する点ではとても優れていますが、一方で、価格が高いうえに予約も取りにくく、一般的な家庭が育児を外注するにはまだまだハードルが高い現状があります。
これから共働きが増えるにしたがって家事育児の外注はますますニーズが増えていくでしょう。
もっと受け皿を増やしてほしいですし、後ろめたさを感じることなく外注できる社会になることを望みたいです。
まずは男性の長時間労働を無くすことからでしょうか・・・
2020年9月19日(土)朝日新聞朝刊より出典