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やっと5歳児への教育計画が始まる!2022年度からモデル事業を展開

2021.08.06 |

ついに文部科学省が5歳児-いわゆる年長児への教育計画を作成するとのことです。小1プロブレムの解消が図れると良いのですが、早期の教育には慎重な意見もあるようです。

幼児期→小学校への移行をスムーズに・・・

文部科学省は、年長児向けの教育プログラムを今年度中にまとめて2022年度から一部の幼稚園や保育園でのモデル事業を始める計画を立てています。
検討するのは中央教育審議会の特別委員会。中には行き過ぎた早期教育にならないように懸念を示す人もいたそうです。

2019年秋の幼保無償化で全ての5歳児に学びの機会を与える

ご存知の通り、2019年秋に幼保無償化が始まりました。これにより全ての5歳児が無償で保育園や幼稚園に通えることになります。
この幼保無償化で全ての5歳児が園に通えるようになれば、全ての5歳児に共通的な学びの機会を与えることができます。幼保無償化は当初からこの狙いもありました。

また、もう一つの狙いは「小1プロブレム」です。現在、小学校に上がってから集団生活になじめなかったり、先生の言うことが理解できなかったりする児童が一定数いて、全体の学びや統制に支障が出るケースがあるとのこと。
5歳時への共通プログラムで、小1への移行をスムーズにしたい狙いもあります。
一般的に幼稚園は人数が多く、集団生活に慣れるためのイベントが多いです。それに比べて保育園は規模が小さく、幼稚園に比べて集団生活に慣れるための機会が少ないです。
そのため、保育園に子どもを通わせる保護者の方が、小1プロブレムを心配しているのではないでしょうか。

幼児期に重要な学びは、全て遊びの延長

特別委員会では、幼児期に重要な学びを「五感を通じた体験や遊び」などと示しました。
5歳児の遊びの例として、植物をすりつぶして作った色水を混ぜたり、砂場で穴の深さを調節しながら水路を掘ったりなどを挙げています。
さらにITを使った分野では、タブレット端末で撮った写真を使って物語を作るなども示しました。
担当者は「遊びの中で考えながら経験を生かし、友達と協力しながら学ぶこと」と「子どもの特性に応じた指導」が大切だと述べています。

欧米は半年早く小学校が始まり、後れを取っている日本

欧米では、日本の年長の9月に小学校が始まります。またその前の時期にプリスクールなどで一定の学びを展開する国もあります。今の時点で、日本は半年遅れをとっています。

昨年、新型コロナウイルスが蔓延し、「新学期を9月に」という声が挙がりましたが結局お流れに。本来は半年前倒しにしなければならない状況なのに、これでは半年後ろ倒しになってしまい、ますます欧米から後れを取ることも、反対された一因だったのではと言われています。

もちろん早期教育には慎重な意見もあります!

特別委員会では、
・小学校の教育にどうつながるのかイメージしにくい
・幼児教育の現場でカリキュラムの参考になる資料が少ない
などの意見も出たようです。そのため、今回のプログラム作成で、より具体的な幼児教育の場で実践できる学びを示す、としています。

しかし、幼児期の教育は根本的に保護者にあることを認識しなければならない、との声もあったそうです。
早期教育という言葉だけが独り歩きをして保護者や教育関係者を焦らせてしまうことのないようにしてほしいですね。
「習い事を多くこなせばいい」となってしまっては、経済的に困窮する家庭がますます不利になります。
大人の目線で褒められることばかりが幼児教育ではないことを大人も認識しなくてはなりません。

2021年7月21日(水)朝日新聞朝刊より出典・引用しています。
https://www.asahi.com/