朝ご飯を食べてこない、こられない子供たちのために、学校で朝食を提供する取り組みが始まっています。
広島県では予算を組んで取り組みを始めました。お隣の韓国ソウルでは既に始まっておりとても進んでいるとのこと。
これからは保育園でも広がりを見せることを期待します。
広島県ではどんな取り組みをしているの?
広島県府中町立府中小学校では、週に1回、希望する家庭に無償で朝食を出す取り組みを始めています。地元の婦人会が手伝っているとのこと。
食材は16社が無償提供しており、冷蔵庫などの初期費用は県が市町村に補助金を出す仕組みにし、1校300万円を負担しています。
同様の動きは全国にあり、東京都足立区、大阪市などでも見られます。
子供の生活改善=学力の向上・情緒の安定
文部科学省の調査では、朝食と学力には因果関係があるとみています。広島県では2017年に調査を行った結果、小学校高学年~中学校の生徒の約1/4に、「家計が苦しい」「習い事などの経験の不足」「洋服などの日用品の不足」があることがわかりました。
また、小6の朝食欠食率は2013年度が3%でしたが、2018年度は5%に上昇。今までは「各家庭の問題」と切り捨てていましたが、自治体や地域で支援しないと、子供の学力や生活に影響しかねないと、取り組みを始めたようです。
2019年度の全国学力学習状況調査では、小6で4.6%、中3で6.9%が朝食を食べない・あまり食べない、と答えています。親の共働きや深夜労働、経済的理由などさまざまです。
週に1度でも朝食を摂る習慣付けから始めることはとても意味のあることでしょう。
効果が出ている広島県
府中小学校では、2019年2月に週1回の朝食の提供を始めました。数年続けないと効果は分かりませんが、授業中に落ち着きのなかった児童が穏やかになったり、教室に入ることを渋っていた児童が、朝食提供をきっかけに教室に入れるようになったりなど、効果は出ているとのことです。
お隣韓国では既に始まっていた
ソウル市の牛耳小学校では全校生徒1230人のうち35人に毎日朝食を提供しているとのこと。同市内の小中高1313校のうち126校が朝食の提供をしているとのことです。
それだけではなく、大学生の協力を得て、親子キャンプを実施するなどさらなる取り組みも始めています。
子供の生活習慣が安定すれば、学力も向上しますし情緒も安定するでしょう。子どもの頃から日常生活でつまづいてしまうと、非行に走ったり大人になってから凶悪犯罪に走るなど、さまざまな弊害が起きる可能性があります。
地域や学校の取り組みで防げたらとてもすばらしいですね。
2020年1月26日(日)朝日新聞朝刊より出典