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気を付けよう、子どもを追いつめる「毒語」

2023.10.21 |

母親だって保育士だって人間です。ですからいつでも笑顔で、というのは難しいですね。
分かっていながら子どもに大きな声で怒鳴ってしまって、あとで自己嫌悪に陥ったり。これは誰にでもあることです。
でも、絶対に気を付けた方が良いのが「毒語」。怒りたくなったら深呼吸をしてちょっと踏みとどまって下さい。そして「毒語」だけは子どもに対して言わないように気を付けてくださいね。
※2023年10月9日 朝日新聞朝刊より

近年注目の「マルトリートメント」

マルトリートメントという言葉を聞いたことがありますか?これは、何気ない言動で子どもを委縮させてしまったり傷つけてしまったりすることを言います。
簡単に言うと「不適切な保育」。このような行為を止めよう、という動きが今日本の教育現場で広がっています。

虐待や体罰ほどではないが、子どもにとってはNG

言うまでもなく、体罰や虐待は絶対にいけません。マルトリートメントはこれらほどではないにしても、知らず知らずのうちに大人は「これが正しい指導」と錯覚して適切ではない発言をしたり発語をしたりしてしまいます。これが子どもの心を傷つけて追い込んでしまうことにつながるのです。
特に指示通りに動いてくれない子どもに対してついつい「毒語」を吐いてしまいがちです。

ちゃんとできないの「ちゃんと」って?

大人にとって、ちゃんとしている子が偉くて、ちゃんとしていない子はダメな子・・・。そう思いがちですが、子どもがちゃんとできないのには理由があったり発達段階で配慮が必要だったりすることが多いのです。
大人には「ちゃんと」という言葉が呪縛のようにどっしり乗っかってきて、高圧的な態度で指導しようとしてしまう、そんな構造自体が問題なのです。

以下、心当たりはありませんか?

① 言うことを聞かない子どもを恫喝する
② 行事の事前学習の時に怒鳴り声で指導する
③ 他の保育士や教員が見ている前で子どもをあざ笑う
④ 子どもの前でその保護者の教育姿勢を批判する

子どもを傷つけてしまう毒語

① 質問形式で問い詰める:「どうしてそんなことをするの?」「何回言われたら分かるの?」
② 裏の意味を読ませる:「やる気がないならやらなくていい」裏の意味は「やりなさい」
③ 脅して行動をうながす:「早くしないと〇〇させてあげないからね」
④ 他人の権力を後ろ盾にする:「お父さんに言いつけるよ」
⑤ その子よりも幼い子と比較する:「そんなことは幼稚園児でもやらないよ」
⑥ 見捨てるような言い回し:「じゃあもういい」

大人こそ「ちゃんと」にこだわらないで

難しいかもしれませんが、大人が「ちゃんと」にあまりこだわりすぎないことが大切だそうです。手のかかる子や周りをかき乱す子はどこにでもいます。でもその子たちが保育士や周りの子の学びを豊かにする、経験値を上げる、と思えばその子への対応の仕方も変わってくるのではないでしょうか。
難しいかもしれませんが、自分の過去の言動を振り返ってマルトリートメントが無かったか、思い返してみると良いでしょう。