目指せ保育士!保育スクールパーフェクトガイド

目指せ保育士!保育スクールパーフェクトガイド menu

愛情いっぱい密着保育 vs コロナ感染対策・・・揺れる保育現場

2020.06.12 |

緊急事態宣言が解除され、保育園には元気な子どもたちの姿が戻ってきました。しかし感染予防対策は求められています。愛情いっぱいの密着保育に対し、ソーシャルディスタンスを求めることは相反する行動です。
保育の現場は揺れています。

朝日新聞社調べ、現在の保育施設での取り組み

●感染拡大防止のために園が取り組んだこと
行事を中止したり、簡素化・縮小したりしている園は多いようです。また、密になってしまう保護者会を取りやめたり、職員会議や研修を取りやめているところも多いとのこと。今まで行っていた戸外活動も減らしているそうです。

●感染予防対策のために保育者が実施していること
園内を換気する回数を増やしている園は多いようです。職員はマスクの着用を徹底し、手洗い・手指の消毒を徹底しています。
また、園の中も消毒を徹底し、子どもたちにも手洗いを徹底をさせているようです。

濃厚接触や密着保育が当り前の現場は困っている・・・

保育士さんたちは、今まで普通に行われていた保育ができないのでは、と心配になる人が多いとのこと。
保育現場では濃厚接触は避けられませんし、目の前で飛沫が飛ぶことは日常。おもちゃをなめることも発達段階においては当たり前のことです。
戸外活動を減らしたりなど、さまざまな制限が増え、子どもの集団生活のリズムが崩れてしまわないかも心配とのこと。
のびのび接してあげられない、遊んであげられない、という悩みを多くの保育士さんが抱えているようです。

マスクで表情が読み取れない・・・でも優しいまなざしを忘れないで

保育現場は、まさに感染対策と愛情ある保育環境の維持とのはざまで揺れています。
例えば昼食時、今までは子どもたちと一緒にいろいろな会話を楽しみながら食べていましたが、今は少し離れたところで見守っています。しかし、介助が必要な乳幼児も多く、完全に離れることは難しいでしょう。
また、マスクで顔の半分以上が隠れてしまっていては、子どもは大人の表情を読み取ることができません
子どもに不安を与えてしまわないかと考えがちです。しかし、東京大学大学院 発達心理学の遠藤利彦教授は、優しいまなざしで見てあげて、と言っています。「目は口ほどに物をいう」と言われます

大人がソワソワしないこと!子どもたちの適応能力を信じよう!

遠藤教授は、子どもは環境の変化に応じて自ら遊びを見つけたりできるので、そんな力を信じてあげて、と言っています。
むしろ、大人が過度に心配したりすることの方がリスク、とのこと。保育士がいつも不安そうな表情をしていたら、子どもたちに伝わってしまいます。
これは保護者にも言えること、と日本保育学会の汐見稔幸会長も言っています。保護者が「大変だ、心配だ」という状況を見せすぎることによって、子どもがますます不安になってしまうとのこと。
子どもと触れ合えなくても、信頼できる大人の声を聞くことで、幸せホルモンと言われるオキシトシンは分泌されることが分かっています。

2020年6月6日(土)朝日新聞朝刊より出典