目指せ保育士!保育スクールパーフェクトガイド

目指せ保育士!保育スクールパーフェクトガイド menu

抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」子どもには推奨しないの!?

2019.12.06 |

2019年はインフルエンザの流行開始が例年よりも早く、日に日に患者が増えつつあります。
2018年まではよく使われていた薬「リレンザ」「イナビル」「タミフル」を超え、2018年3月に発売された「ゾフルーザ」が、現在使用状況1位となっています。しかし、耐性ウイルスの出現が問題になっています。

1回飲めばOK!ゾフルーザは幼い子を持つ家庭の救世主

ゾフルーザが多く処方されている理由は、もちろん最新の治療薬であることもありますが、何よりもその飲む回数にあります。かかったら1回飲めばOKなのです。
熱が出て辛そうな子どもに薬を飲ませるのは、親にとって本当に骨の折れる作業です。例えばタミフルだと「1日2回、5日間」これを聞いただけでストレスを感じる親は多いのではないでしょうか。
その点、ゾフルーザは1回でいいため、幼い子どもを持つ家庭にとっては救世主のような薬です。

ゾフルーザが効きにくい耐性ウイルスが出現した!?

感染症学会の議論をまとめた医師によると、「12歳未満の子どもは慎重に投与を検討する」とし、現場の医師に判断をゆだねる形になりました。
これに対し、小児科学会は「12歳未満の子どもには積極的な投与を推奨しない」としました。
2018年~2019ねんにかけて、かなり使用されたため、耐性ウイルスの報告があったから、とのことです。
当初は、ゾフルーザが効きにくい耐性ウイルスは通常のウイルスよりも増殖力が弱いと考えられていました。しかし、東京大学などが調べたところ、通常のウイルスと同様程度に増殖力があることが判明。人から人に感染する可能性があります。

使われ始めたばかりで科学的データが少ないのが難点

販売元である塩野義製薬では、「耐性変異ウイルスの出現はある程度予想されていた」と説明しています。
臨床試験の段階で耐性ウイルスが見つかっていたとのこと。12歳以上の患者では9.7%に対し、12歳未満では23.4%という高い数字でした。
塩野義製薬は、そのデータを国に提出したうえで、薬として承認してもらっているとのことです。
ただ、フルシーズンを通してゾフルーザが使われたのはまだ1年だけ。あまりにも臨床データが足りない状況であり、この段階で判断するのは難しいです。これから何年も使われてみて、調査を続けていき、データをまとめ、情報提供をしていくとのことです。

5歳未満以下と65歳以上、持病を抱えている人には深刻な問題

インフルエンザは健康な人がかかった場合、安静にして数日休めば治る感染症です。しかし、5歳未満の子どもや65歳以上のお年寄りなど体力のない人たちは重症化する恐れがあります。
その他にも妊婦さんや糖尿病を患っている人、肺に疾患を抱えている人が感染すると、命にかかわることがあります。
インフルエンザに感染したなと思ったら早めに病院にかかり、薬を処方することで、重要化を防ぐことができます。重症化が防げれば、結果として医療費も少なくて済み、それぞれの家庭にとっても国にとっても、医療費の削減につながるのではないでしょうか。

2019年11月26日(火)朝日新聞朝刊より

2019年11月28日(木)朝日新聞朝刊より