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早生まれの子どもこそ「非認知能力」を育もう!

2021.01.22 |

早生まれとは、その年の1/1~4/1までに生まれた子どものことを言います。
子どもは1年で大人とは比べものにならないくらい急成長します。そのため、4月生まれと3月生まれでは成長発達に大きな差が出てしまい、親の心配は尽きません。
そんな早生まれの子どもの育児のポイントを専門家に聞いてみました。大切なのは「非認知能力を育む」ことだそうですが・・・

中学生位までは早生まれの不利が残ってしまう

東京大学大学院の山口慎太郎教授によると、早生まれの不利は高校入試の段階でも残っていることがわかりました。
高校入学時の偏差値と生まれ月の関係を調査したところ、明らかに差が見られたとのこと。
ですが体力や学力の差はいずれ縮まるため、心配はいらないそうです。
しかし差が縮まらないものがあるといいます。それは「非認知能力」だとのことです。
早生まれの子どもの育児は、この「非認知能力を育む」ことを意識して欲しいのだそうです。では親はどんなことに気を付ければいいのでしょうか。

「認知能力」と「非認知能力」違いって分かりますか?

★認知能力:テストや成績で評価される学力

★非認知能力:「目標の達成」「他者との協調」「感情のコントロール」の三つの要素。
OECD(経済協力開発機構)ではこのような力を「社会情動的スキル」と呼んでいる。

学校生活ではテストの点数や成績といった認知能力で評価されてしまう場面が多いため、そちらに目が行きがちです。
しかし、社会に出てから大切なのは非認知能力であり、社会的に成功している人は非認知能力が高いことが分かっています。

親はどうしても勉強の遅れが心配なんですけど・・・

成績で評価されてしまう学校生活では、親はどうしても勉強の遅れが気になってしまいます。そのため、非認知能力の向上ばかりに投資してしまいます。
現実に早生まれの子どもは塾に通っている割合が高いとのこと。一方で外遊びやスポーツ・芸術・音楽に関わる時間は少ないことが分かっています。

しかし、非認知能力は外遊びやスポーツ・芸術・音楽に関わることで育まれることが分かっています。
我が子の学習面の遅れを心配するあまり、非認知能力が向上する機会を減らしてしまっているというのです。

早うまれの子どもにこそ外遊びや異年齢交流をさせてあげよう

白梅学園大学名誉教授の無籐隆教授は、早生まれの子どもにこそ、非認知能力を高める外遊びや異年齢の子どもたちとの交流の場を持たせてあげて、と語っています。

同学年の子どもたちといると、早生まれの子どもはどうしても幼く力の差もあります。そうすると対等に主張したりぶつかり合ったりする経験がしにくいです。そのため、リーダーについていくだけになってしまいます。

異年齢の子どもたちと遊ぶことで、仕切り役になったり調整役になったり、時にはリーダーシップをとる場面も出てきます。このような経験が非認知能力を育むうえで大切だとのこと。特に幼少期から小学校低学年までの間、皆で遊ぶ中で育つとのことです。
注意すべきは、親は絶対に劣等感を植え付けような発言はしないことです。

2021年1月10日(日)朝日新聞別冊 EduA より出典