現在、日本脳炎とおたふくかぜのワクチンが大幅に不足しているとのことです。夏から秋にかけては解消しないようです。
新型コロナウイルスの影響とは無関係とのことですが、いったいどんな理由なのでしょうか。
子どものVPD(ワクチンで防げる病気)、日本脳炎とおたふくかぜ
現在、日本脳炎は公費で接種できる定期接種で、合計で4回接種する必要があります。1回目は3歳を過ぎてから3回、4回目の追加接種は9~12歳と長期にわたります。
おたふくかぜは1歳を過ぎてからの任意接種。3歳過ぎてもかからなかったら、追加接種が推奨されています。任意接種のため自費ですが、助成を受けられる自治体もあります。
この2つのワクチンが春ころから品薄にまっています。製造工場での不備が原因で、新型コロナウイルスの感染拡大とは無関係とのことです。
ワクチン製造工場内でフィルターの不備や不純物の混合などが起きた
現在日本脳炎のワクチンは国内では2社が製造しています。そのうちの1社 阪大微生物研究会の香川県の工場で、昨年の11~12月に原液の製造過程で不純物が生じてしまいました。今後の出荷予定は今年の12月を予定しています。
現在おたふくかぜのワクチンは国内で2社が製造しています。そのうちの1社 武田薬品工場の山口県の製造工場で、室内を無菌化するエアフィルターに不備があり、出荷予定だったワクチンを全て破棄、4月には在庫がなくなってしまいました。今後の出荷予定は10月を予定しているとのことです。
現在この2社を合わせると、全体で80万回分のワクチンが不足しているとのことです。
日本脳炎は未接種者と2回目を優先。おたふくかぜは必要度に応じて接種
厚生労働省は以下のように通達を出しているとのことです。
日本脳炎は未接種者と2回目の接種者を優先するとのこと。抗体がない、もしくは十分でない子どもが感染のリスクが高いためです。
おたふくかぜは在庫状況や患者の必要度に応じて現場で判断し対応してよいそうです。
ワクチンで防げる病気(VPD)は、感染すると重症化したり後遺症が残ったりする重大な病気です。ワクチンで事前に防ぐ大切さが認識されています。
新型コロナの感染拡大とは関係なく、子どもの予防接種はきちんと受けよう
新型コロナウイルスの感染拡大を心配して、子どもの予防接種を先延ばしにしている人もいるようですが、厚生労働省や各自治体は、接種しない方がリスクが高いため、きちんと受けて欲しいと通知しています。
2021年5月3(月)朝日新聞朝刊より出典・引用しています。
https://www.asahi.com/