内閣府が行った国際調査の結果によると、「日本は子どもを産み育てやすいか?」という質問に対し、若年層の6割が「育てにくい」と回答していることが判明しました。
これは欧州3か国と比べて突出して多いとのこと。これが少子化の原因になっていることは明らかでしょう。
若年層の6割以上は「日本は子どもを生み育てにくい!」と思っている!
内閣府が5年に1回行っている国際調査。少子化に役立てるために行っています。
今回は2020年10月~2021年1月まで、日本・ドイツ・フランス・スウェーデンの20歳から49歳までの男女に問うています。日本は約1,400人、欧州3か国は約1,000人から回答を得ました。
ショッキングな結果か、それとも「ああやっぱりね」と想定内か。日本の若年層は「日本は子どもを生み育てにくい」と感じている人が他国に比べて突出して多いことが判明しました。
これこそが少子化の原因になっているのではないでしょうか。
欧州3ヵ国とここまで差があるの?興味深い結果が出た国際調査
●「子どもを生み育てやすい国か?」という質問に対し「そうは思わない」と答えた人の割合
日本:61.1%
フランス:17.6%
スウェーデン:2.1%
少子高齢化による税金などの負担増、長時間労働に加えて不安定な雇用、環境の悪化、女性に偏る家事育児介護の負担・・・
さまざまな要因が重なってこのような結果になっているのでしょう。
スウェーデンの2.1%にはただただ驚きです。
●「小学校入学前の育児は主に妻が担い、夫が手伝う」と答えた割合
日本:49.9%
フランス:25.7%
スウェーデン:4.3%
日本にはまだ3歳児神話もありますし、男性の産休・育休は進んでいません。男性の長時間労働も原因ではないでしょうか。
●恋愛は「相手からアプローチがあれば考える」を選んだ人の割合(複数回答)
日本:40.4%
フランス:10.4%
スウェーデン:25.5%
恋愛に対して受け身の姿勢でいる人が多いことがうかがえます。
●「恋愛は面倒だと感じる」を選んだ人の割合(複数回答)
日本:19.4%
フランス:1.5%%
スウェーデン:14.4%
最近の若者は「恋愛はコスパが悪い」「恋愛は疲れる」「失敗したくない、傷付きたくない」と考えている人が多いと聞きますが、その考えを反映しているような回答です。
結婚や子どもを育てることにメリットが感じられない?
最近は恋愛しなくても一人で楽しめるコンテンツが各種揃っています。そのため、無理に恋愛する必要がないのでしょう。
恋愛や結婚は「皆がするもの」から「したい人だけするもの」に変わりつつあります。さまざまな理由がありますが「とにかく金がかかる」ことが大きな要因でしょう。
問題なのは、約20年にわたる少子化対策が機能しておらず、少子化は進む一方であること。これは決して若年層のせいではありません。若年層の気持ちを押し下げている要因は今の社会背景にあります。
もっと結婚や子育てに夢を持てる社会になることを望みます。
2021年6月12日(土)朝日新聞朝刊より出典・引用しています。
https://www.asahi.com/