
近年、保育施設での虐待や不適切な保育がニュースになる機会が増えています。一方、現場からは「どこからが不適切なの?」「これまで普通にしていた声かけもダメ?」と戸惑う声も。
大切なのは、「この言葉ならOK」といったルールだけで判断するのではなく、日々の関わりを子どもの立場から振り返ることです。保育士が特に意識したいポイントを考えてみましょう。
①感情に任せて叱っていないか?
忙しい保育中、何度伝えても子どもが動いてくれず、つい大きな声を出してしまうこともあるでしょう。
しかし、「いい加減にして!」「何回言えば分かるの?」など、保育者自身のいら立ちをそのままぶつけることは避けたいものです。
②子どもの体を無理に動かしていないか?
急いでいるときに腕を引っ張って移動させたり、座りたくない子を無理に座らせたりしていないでしょうか。
集団保育では全員に動いてもらう必要がある場面もありますが、まずは「これからお外に行くよ」「ここに座ってお話を聞こうね」など、子どもが理解できるよう言葉で伝えることを意識しましょう。
緊急時など安全確保のために身体へ触れる必要がある場面とは分けて考えることも重要です。
③罰として行動を制限していないか?
「壁ぺったん」など、子どもに待つ場所を分かりやすく伝える表現が、直ちに虐待や不適切な関わりになるわけではありません。問題となり得るのは、罰として長時間立たせたり、みんなの前でさらして恐怖や恥ずかしさを感じさせたりするケースです。
「何をしたか」だけではなく、「なぜ行ったのか」「子どもはどう感じているか」まで考える必要があります。
④子どもの気持ちやプライバシーを尊重する
「早く食べないと遊べないよ」「泣くなら赤ちゃん組に行く?」など、大人には何気ない一言でも、子どもにとっては脅しや否定として受け取られる可能性があります。また、着替えや排せつなどの場面では、周囲から見えないようにするなどプライバシーへの配慮も必要です。
子どもも一人の人として、「自分が同じことをされたらどう感じるか」という視点を持って接してみましょう。
⑤一人で判断せず、職員同士で振り返る
保育の適切・不適切は、言葉や行為だけを切り取って簡単に判断できないケースもあります。だからこそ、「今日の対応はどうだったかな?」と日々の保育を振り返り、迷った関わりを職員間で共有することが大切です。
虐待や不適切保育を防ぐことは、子どもへの注意や指導をすべてなくすことではありません。安全を守りながら、子どもの気持ちや尊厳にも配慮する…そのバランスを職員みんなで考え続けることが、安心できる保育環境につながります。






