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「母乳が出過ぎちゃって・・・」それって自慢?

2020.12.11 |

母乳と聞いて、子育て経験のある人なら、何かしら記憶をたどって心がざわつくのではないでしょうか?母乳をめぐる悩みは本当に尽きません。

母乳に悩みを抱えていも、周りには言いにくい?

赤ちゃんを母乳で育てるかどうか、母親によって大きな関心事。しかしその悩みは多く、心のしこりになることもあります。
母乳が十分に出ない母親は「母親資格なのではないか」「母性が足りないのではないか」と悩みます。
一方で、出過ぎて困っている母親も多くいます。しかしそれを周りに母親に話すのはためらいます。母乳が出にく母親からすると自慢や嫌味に聞こえたりするかもしれない、と気を使います。
乳幼児健診の際、最後の最後になって言いにくそうに「実は母乳が出にくいんです・・・」と話す母親は多いそうです。

母乳というだけで神格化されてしまう・・・

母乳は、育児に対しての個人の価値観や経験などが複雑に絡み合い、母性の象徴としてなぜか神格化されてしまう一面があります。
理想と現実もあいまって心身に作用し、医師が入りにくい領域でもあります。
日本では公的な情報がとても少なく、真相が不明のネット情報が横行しています。

WHOは生後6か月までは母乳だけで育てることを推奨

WHOの見解は上記のとおりですが、粉ミルクでも全く問題なく赤ちゃんは育ちます。母乳の出は個人の体質や授乳指導によっても異なります。家庭や母親の体調の事情で母乳育児を選ぶかどうかは異なります。
粉ミルクが全盛だった1970年代。今その年代の人は40代ですが、なんら他の世代と変わはありません。今さら「粉ミルクで育てたのは間違いだったのか」と悩む人などいないでしょう。

根性論や価値観を押し付けないこと

出産直後から、母親は苦労して子どもを育てるものだ、という価値観が刷り込まれていることこそ問題です。
それで成功した人が価値観を押し付けるのは最もいけないことだと感じます。
上手くいかない時に、自分の努力が足りないのではと根性論に陥ってしまっては、母親が苦しいだけでしょう。
知らない年配の人がいきなり「母乳?」と聞いてくることもありますが、答えに困ります。

お母さんは自分を責めないで、もっとねぎらっていい!

母乳のことでモヤモヤしてしまっても、その時にできるベストな育児をしているのだからもっと、母親はもっと自信を持って自分をねぎらってほしいですし、あれがだめ、これがだめと自分を責めすぎないでほしいです。

2020年12月5日(土)朝日新聞朝刊より出典