目指せ保育士!保育スクールパーフェクトガイド

目指せ保育士!保育スクールパーフェクトガイド menu

知らない人が赤ちゃんを触ってきたら?

2020.01.31 |

保育園では周りのお友達や保育士さんが自分の赤ちゃんに触れるのはごく普通の出来事です。
ただ、保育時間内の散歩中にいきなり触ってくる人もいます。そんな時にどう対応していいか困ることはありませんか?
ベビーカーに赤ちゃんを乗せて連れ歩いている時も同様です。

ついつい可愛さに触りたくなる高齢者。悪意はないにしても・・・

2019年12月、朝日新聞の「声」欄に、病院の待合室で、自分の赤ちゃんに断りもなく触ってくる高齢女性に困惑した、という記事が載りました。
その後、その意見について、肯定的にとらえる人もいれば否定的にとらえる人もいることが紹介されました。

その赤ちゃんは生後6ヶ月。まだ免疫力が弱い赤ちゃんが他人にさらわれることが心配だったそうです。
赤ちゃんは母親の胎盤を通じて免疫を受け取って産まれてくるため、生後6か月頃までは病気にかかりにくいとされています。しかし、生後6ヶ月を過ぎたころから徐々に体内の免疫物質が消えていくたため、病気にかかりやすくなると言われています。
今回この赤ちゃんはちょうど免疫が無くなってくる月齢だったため、母親は神経質になっていたのでしょう。

ユニ・チャーム運営サイト「ベビータウン」アンケートによると

約470人の母親に、自分の赤ちゃんが触られることへの感想を尋ねたところ、「知らない人に触られるのは嫌」と答えた母親は22%にも上りました。一番多かった答えは「相手の見た目や態度による」という回答で29%。
逆に、可愛がってくれるのは嬉しいと答えた母親は15%。先に断ってくれればよい、と答えた母親は14%いました。

大人同士だってむやみに触ったりしないけど神経質すぎ?

大人同士だと、他人にむやみに触ったりしないでしょう。赤ちゃんだって同様に考えてもいいのでは、という意見もあります。
近所の顔なじみでいつも挨拶を交わしている仲であれば、抵抗はないのかもしれません。
また、最近は「他人が握ったおにぎりが食べられない」など、神経質な人が増えてきました。小さな赤ちゃんを持つお母さんも同様、神経質になってきているのかもしれません。

幸せホルモン「オキシトシン」は攻撃性も高める

幸せホルモンという言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
哺乳動物の母親は、出産時や授乳時にオキシトシンというホルモンが分泌されます。これは愛情ホルモンともよばれ、子供への愛着が増す働きをします。
しかしオキシトシンは見知らぬ人には攻撃性を高める作用もあるホルモンです。我が子を危険から守ろうとするのはこのためで、母親が子供に近づく他人に神経質になるのは、当然のことなのだそうです。

「一声かけて」と言おう!

子供が多い時代のように、社会全体・地域全体で子供を見守ろうという空気が薄れてきたのは事実。そのため、母親が周囲に警戒心を抱くのは当然です。
可愛い赤ちゃんに触りたくても、まずは一言かけることが求められるのではないでしょうか。
悪気がなくてもだまって触ろうとする人へは、「触る前に一声かけてください」などときちんと伝えた方がいいのかもしれません。

2020年1月24日(金)朝日新聞朝刊より出典