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無認可保育施設も無償にしていいの?賛否の陰に・・・

2019.08.09 |

2019年10月から始まる幼保無償化。国が定める指導監督基準に満たない無認可の保育施設を無償化にするかどうかで自治体は揺れています。
全国の主要75市区町村を調べたところ、無償化しないとした自治体はわずか2つ。
保育の質が十分でない無認可園まで無償化にするのは、基本的に政府は反対ですが、市区町村の判断に委ねるとしています。

無認可園でも5年間の経過措置で無償

政府は基準を満たさない無認可保育施設でも、経過措置として5年間は無償化の対象としています。
しかし、保育の質が安定していない無認可園まで無償化の対象とするのは全国市長会が反発し、各市区町村が独自に定める条例で、無償化の対象となる無認可園の範囲を限定できることとなりました。

「無認可園は外す」としたのは東京都杉並区と埼玉県朝霞市の2つだけ

朝日新聞が行ったアンケートによると、「無認可園を無償化から外す」としたのは、待機児童ゼロの東京都杉並区。そして、さらに質が下がるのでは?と懸念する埼玉県朝霞市の2つだけでした。

未だに無認可園は待機児童の受け皿に

主要75市区町村のうち、届け出のあった無認可園を全て無償化する意向を示しているのは47で全体の63%、検討中なのは26で35%となっています。
多くの自治体で、無認可園が待機児童の受け皿となっている実態が浮かび上がりました。
「環境の整っていない保育施設に公費を使うのは反対」という意見がある一方、無料で良質な認可園に通える子どもと、お金を払っているのにもかかわらず環境の悪い無認可園に通わなくてはならない子どもがでてきます。これは、公平性という観点から見て疑問にも映ります。
さらに市区町村が把握できていない無認可園もあり、各自治体が調査に行けていない施設もかなりあると言われています。

待機児童問題が解消されないまま無償化に踏み切った結果?

全ての子ども達のために保育料を無償化することは一件合理性が高いようにも思えます。しかし、保育中の重大な事故は無認可園で多くおきています。危険な環境の園にまでお墨付きを与えるのはいかがなものかという意見もあります。
このまま無償化を続けるならば、自治体が無認可園を指導・管理する体制を強化する必要があります。そしてそれらを公表し、保護者が劣悪な施設を判断できるようにしなければなりません。
保育料無償化で浮かれる中、子どもの安全性が置きざりにされている実態もあることに目を向けなくてはなりません。

2019年7月8日(月)朝日新聞朝刊より