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幼保無償化に伴い、幼稚園や無認可園が便乗値上げしている?

2019.10.11 |

幼児教育・保育の無償化が始まりました。しかし、保護者の負担が減るからと、利用料や授業料を上げる動きがあちこちでおきています。
保護者からは「便乗値上げでは?」と不信感を募らせる人もいます。

配布された「10月から授業料と給食費の値上げします」

名古屋市のある幼稚園では、授業料無償化に伴い、10月から以下のように授業料を値上げするとの手紙が配布されました。

9月末まで:授業料23,700円(給食費込み)

10月から:授業料25,700円と給食費4,500円

授業料の25,700円は、園児一人当たりが無料となる上限額となります。結果、併せて6,500円の値上げになります。
何に使うのか問い合わせても、幼稚園からは明確は答えは返ってこなかったとのことです。

無償化で保護者の負担は大きく減るんだから値上げしていいだろう?

確かに保護者の負担は大幅に減るかもしれません。しかし保護者はそのお金を貯蓄に回したり、習い事に通わせたりと、いろいろと計画を立てていた家庭もあるでしょう。
その幼稚園は「名古屋市の私立幼稚園教会に従った」と回答しているようですが、協会側は指導や助言はしてないと言います。

一般に認可保育園や子ども園の利用料は市区町村が決めますが、私立幼稚園や認可外保育園は各園が自由に決めています。

せっかく負担が減るのに値上げされたら困る

無償化に合わせて値上げになったら、実質の保護者の負担はかわらなくなってしまいます。これはあくまでも保護者の負担を減らして子育てしやすい環境を整えるための施策。
そのお金が園の経営者の懐に入るようでは、全く意味を持たなくなります。
愛知県内の私立幼稚園は360園あり、10月の値上げを予定しているのは20園、来春の引き上げを予定しているのは58園となっています。
また10月を見越して今年の4月に値上げを実施したのは99園もありました。

園だって優秀な人材を長期に確保したい

園の事情もあるようです。保育士や幼稚園教論の待遇の低さはもう何年も前から問題視されています。また保護者の要望やクレームに対応すべく人員を増やしたい幼稚園もあるでしょう。
中には保護者を集めて保護者会を開いた幼稚園もあるようです。
例えば、
①教論の基本給を上げる
②副担任を増やす
③体育専門の講師を招く
④英語のネイティブ講師を招く
など、値上げ分の具体的な予算内容を保護者に説明し、理解を得た園もあるようです。

保育の質が上がらないまま値上げとなったら、保護者は納得しないでしょう。今後のチェック体制の強化も叫ばれています。

2019年9月30日 朝日新聞朝刊より

2019年10月2日 朝日新聞朝刊より