トイレトレーニング中の保護者の方を励ます言葉として、心配しなくてもそのうちオムツははずれるから、焦らずに進めていきましょうといった旨の声かけをすることがあります。
しかし、200人に1人以上の割合でおとなになっても昼と同じような量、夜に尿が作られてしまい、おねしょをしてしまうという方もいるのです。知識として知っておきましょう。
夜尿症
「夜尿症」は、「5歳以上」で「月に1回以上」のおねしょが「3か月以上続く」場合に診断される病気です。
特に5歳の子どもの中では5人に1人がこの症状を抱えています。
多くは自然に治る場合もありますが、症状が長引くと子どもの自尊心に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、生活改善や薬の服用などの治療が勧められています。早めの対応が重要であり、適切なケアによって子どもの心身の健康をサポートすることが大切です。
お泊り保育や、小学校に上がると修学旅行やお友達とのお泊まり会があります。
その際に夜オムツを履いていることがわかると奇異の目にさらされることは想像に難くありません。
お子さん本人が一番つらいですが、サポートし、見守る保護者の方もつらいでしょう。
子育て支援を行う保育士として知っておかなければいけない現実です。
大人になるまで治らないケースでは
夜尿症は、1年で患者のうち10%ずつが自然に治るとされています。
治療すれば50%が約1年間で改善するとされていますが、0.5~数%の約200人に1人は治らずに成人に移行してしまいます。
10代後半の成人男性が、保護者に知られて心配をかけたくなかったこと、恥ずかしいことから、自然に治ったことにして、夜尿を隠し、汚れた場合は自分で洗濯していた、辛い経験を我慢していたという例もあります。
周囲の理解とサポートが必要
夜尿症は個人によって異なる対応が必要であり、周囲の理解と適切なサポートが重要です。
前述の男性は、別の症状で病院を訪れ、医師に相談したのをきっかけに薬による治療を開始。約1年半で完治しました。
おねしょには他の病気が隠れている可能性があるだけでなく、夜尿症の子どもたちは自尊心が低い傾向にあるという研究結果もあります。
小児科の医師は、「子どもたちは好きで夜おしっこをしているわけではないので、自分に自信をなくしてしまうことがあります。」と述べています。
そのため、5歳以上で夜尿が続いている場合は、相談することが大切であり、適切なサポートを受けることで子どもたちの自尊心や心身の健康をサポートすることが重要です。
早めの対応が大切なことを忘れずに、子どもたちを支えていく必要があります。