先月おもしろい本が出版されましたが、手にとってご覧になられましたか?
その名も「ここが変だよ、保育園」。
保育士を目指す方であれば、この本の帯にある「世間一般の常識は保育業界の非常識?!」フレーズに興味を惹かれるのではないでしょうか。
こちらでは「ここが変だよ、保育園」の著者やその背景についてご紹介しましょう。
著者は異業種から保育業界に参画した異色の施設運営者
著者は、通信業界の大手企業で研究者として働いた後、実家の保育園を継いだ異色の経歴を持つ保育園経営者です。
保育業界への異業種からの転職経験から、業界内で当たり前とされてきた常識や保育の現状に疑問を抱き、一般企業で培ったスキルと知見を活かして、ITを活用した業務の効率化など積極的な改革を進めてきました。
保育園から認定こども園へ移行して複数の施設を運営する方針に舵を切り、4年間で新たに5施設を展開しています。
ペーパーレス化、経理システムの独自開発など業務のデジタル化とその手腕を振るってきました。
現在は、保育等の福祉がなくても誰も困らない地域づくりを目指している、2児のパパでもあります。
異業種から参入した著者から見た保育業界
保育業界は待機児童問題の解消に伴い、全国に保育施設が増加しましたが、最近では定員割れを抱える園も増えています。
行政からは地域貢献の観点から、子ども食堂の設置や園外児の一時預かりなど、多機能化が求められています。これにより、保育業界は変革を迎える時期に立たされています。
一方で、保育業界への異業種からの参入は少なく、保守的な運営を続ける園も存在します。
しかしこれから先も旧態依然とした運営を続けると、園の存続が危ぶまれることは間違いありません。
本書では、著者が保育業界で感じた常識と世間の常識のギャップを挙げながら、それが保育にもたらす問題や改善の必要性、実際に行った改革について詳しく解説しています。
また、保育園だけでなく、保護者の姿勢についても触れており、「良い保育園とは何か」と考えるきっかけとなる貴重な一冊となっています。
「元NTT職員のITを駆使した働き方改革」や「業務効率化と保育の質の向上のための6つの提言」などの内容は、保育士を目指して勉強中の方にも興味深いものでしょう。
他業種から参入した保育施設運営者であり、複数施設を運営されている著者の視点から、保育業界と世間の常識のギャップや働き方改革の内容、園長先生という職のあり方や保護者の姿勢についても触れています。
ぜひ手に取り、本書を読んでみてはいかがでしょうか。保育士として保育施設に入職後に読むと、異なる立場からの感想や気付きを得ることができるでしょう。
「ここが変だよ、保育園」
出版:株式会社幻冬舎メディアコンサルティング
著者:近藤敏矢(コンドウトシヤ)