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果物「ビワ」でアレルギー?

2019.08.02 |

子どものアレルギーは深刻。命にかかわることになります。
子ども自身が自分で気を付けられるようになるまで、常に周りの大人が注意して見守らなければならず、気苦労が絶えません。保育園や学校の給食も個別にメニューを用意してもらったり、お弁当を持たせたり。
最近果物のビワでアレルギーを発症した例が報告されました。

2011年の消費者庁による調査~子どものアレルギーの原因~

乳幼児期は、一般的にアレルギーが多いと言われる鶏卵や牛乳がに反応を示す子どもが多いです。しかし小中高生になると、果物や甲殻類、ピーナツなどに反応を示す子どもが増えています。

0歳・・・1位:鶏卵、2位:牛乳、3位:小麦
1歳・・・1位:鶏卵、2位:魚卵、3位:牛乳
2~3歳・・・1位:魚卵、2位:鶏卵、3位:ピーナツ
4~6歳・・・1位:果物、2位:鶏卵、3位:ピーナツ
7~19歳・・・1位:甲殻類、2位:果物、3位:鶏卵・小麦

大人の知識だとアレルギーは主にタンパク質に反応すると考えます。果物にタンパク質は含まれないはず?と不思議に思うかもしれません。しかし、果物にはアレルギー反応を起こすたんぱく質に似た物質が含まれていることがあります。

東京都のある小学校で「集団ビワアレルギー」が起こっていた

東京都のある小学校で給食後に複数の児童が皮膚やのどのかゆみや発疹を訴え、病院に運ばれたことがありました。
いずれも症状は軽く、全児童がその日のうちに自宅に帰宅できたとのこと、大事に至らなくてよかったです。
しかし、原因が意外な果物「ビワ」だったことに驚いた関係者は多かったとのことです。

花粉症の人は注意が必要

近年の研究では、花粉症の人が反応するたんぱく質に似た物質が果物に含まれ、反応することが分かってきており、花粉症の人は注意が必要とのこと。
特にシラカバやハンノキに反応する人は、リンゴ・モモ・いちごなどのバラ科の果物を食べるとアレルギー反応が起こることがあるそうです。
近年、花粉症の発症が低年齢化しており、子どもにもよく見られる症状になってきました。
花粉症があって、特定の果物を食べると口の中がイガイガしたりする人は、アレルギー反応を疑い、過度に食さない方がいいとされています。

家庭で食べられなくなってきた「ビワ」

昔は近所になっていて日常的にもぎ取って食べていたビワ。しかし近年は高級品や贈答品ばかりで、一般家庭で食される機会が減ってきました。
ビワにアレルギー反応を起こすこと自体知らないで過ごしてきた子ども達が、急にビワを食べて気付いたのでは、と言われています。

家庭で食べられなくなったからこそ、給食で食べてほしいのだが・・・

学校関係者や給食関係者は、一般家庭で食べられなくなったからこそ、給食を通じて日本古来の旬の果物に触れてほしい、と考えています。それはそれでとても大切なこと。しかし、アレルギーで苦しむ子どもがいるのであれば、安易に出すことは難しく、その狭間に揺れているようです。

2019年7月5日 朝日新聞朝刊より