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液体ミルク「母乳が最良の栄養です」表示、本当に必要?

2019.04.05 |

2019年3月20日 朝日新聞朝刊より

 

液体ミルクの販売が始まりました。ただ、消費者庁が「母乳が最良である旨を記載すること」を義務付けており、その表示内容に賛否両論出ています。

「母乳は赤ちゃんにとって最良の栄養です」そんなの百も承知

子育て経験者ならそんなことは百も承知です。わざわざ言われなくても分かっていること。母親たちは日々努力してなるべく母乳与えられるようにしています。なのになぜあえて「母乳が最良」と表示をするのでしょうか。

世界保健機構(WHO)の見解は?

生後6ヵ月までは母乳のみで育てることを推奨しています。母乳は人が人のために体内で作りだしたもの。赤ちゃんの免疫機能を高め、母体の回復も促します。ですから、安易にミルクに頼るのではなく、可能な限り母乳を与えましょう、というものです。

ミルク育児をする母親を追い詰める

すべての母親が完全母乳ではないことが周知のとおり。厚生労働省の調査では「母乳が不足気味」という母親は約20%、「母乳が出ない」という母親は11%もいます。
要は約3割以上の母親がミルクに頼らなければ育児ができない状況なのです。
母乳が足りている母親でも、ミルクに頼らなければならない母親はたくさんいます。
仕事の関係、母親自身が薬を飲んでいる、上の子世話、赤ちゃんが入院している、外出先での授乳・・・
そんな母親たちを追い詰めるから記載はしないでほしいといった要望も出ています。

表現を和らげたら?

母乳が望ましいことは分かっているが、液体ミルクのパッケージの前面に目立つように大きく表示されているのを目の当たりにして、傷つく母親もいます。
もっと表現を和らげたり表示を裏面にするなどの措置があっても良いのではとも感じます。

毎日負担の大きい育児。母親は常に「私は理想的な母親像なのか」という葛藤を抱えながら育児をしています。これ以上母親を追い詰めないように、周りもメーカーも考える必要があるのではないでしょうか。

2019年3月20日 朝日新聞朝刊より