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男性の育児休業取得率から見える問題点とは?

2019.11.22 |

育児に積極的な男性が増えていると言われていますが、現実はどうなのでしょうか?男性の育児休暇取得率はまだまだ低い現実があります。

共働きが増え、夫も家事育児に協力しなければ生活が成り立たない

女性が家事育児を主に担ってきた背景には、女性は結婚したら家庭に入り、専業主婦になるのが当り前の時代が長かったからでしょう。その時代の名残が今でも強く残っています。
これだけ共働きが増えた現代では、昔のやり方をそのまま当てはめることは絶対に不可能。
特に心身共に負担が大きい育児は、夫婦で協力し合わないと絶対に乗り越えられません。

男性の育児休暇取得率って増えたの?

国家公務員に限った内容ですが、2018年度、男性の21.6%が育児休業を取得したとされています。全体では6.2%。10年前の1.4%に比べれば大幅に増えましたが、女性の取得率は80%以上。これに比べればとても少ないです。

男性の育児休業の取得は「5日未満」が36.3%という現実

しかし、日数を見ると現実が見えてきます。一番多かったのは「5日未満」で36.3%。全体の7割が「2週間未満」とのことでした。これでは育児休業というよりは、私用で一般的な有休を数日取得したのと変わりありません。

取りにくい職場の雰囲気

厚生労働省が調査会社に委託した結果によると、育児休業を取得しなかった男性の理由として最も多かったのは、「人で不足」「取得しづらい雰囲気」。これらを挙げた人が最多で3~4割もいたとのこと。長時間労働がなかなか減らない現実が垣間見れてきます。

約4割の男性は「女性は家庭で家事育児を主に担ってほしい」と思っている

まだまだ性別と役割分担の意識が多いのも特徴です。2016年の内閣府の調査によると、夫は外で働き、妻は家庭を守るべき、という考え方に賛成する人は約4割いたとのこと。育児は母親がするもの、という固定観念がいかに強いかが分かります。
なかなか男性が育児に関わらないのはこのような意識があるからかもしれません。

現実は長時間労働で家事育児に協力できないのでは?

ただ、実際は家事育児に協力しないのではなく、長時間労働で協力したくてもできない環境があるのでは、とも感じます。
妻は、自分も働いているので家事育児にもっと協力してほしいと思っているけれども、男性がなかなか定時で帰宅できない実情もあるのでしょう。

育児休業を3日取ったくらいでイクメンずらしないで!

夫が育児休業を取得してくれるのはありがたいことかもしれません。しかし、どの程度家事に協力するのかは個人差も大きいでしょう。
女性の産後の身体は非常に消耗しています。ましてや、1~2時間おきに授乳があります。その時期に安心して赤ちゃんと共に産後の回復期を過ごせれば理想です。
男性の育児休業は、せめて1か月以上取得できる環境が整うといいですね。

2019年10月28日(月)朝日新聞朝刊より出典